夜明けに散歩する理由

私が生活スタイルを朝型に変えたのは三十代も終わる頃だった。昼間の仕事で疲れ果てた出張先で、ホテルに戻ったのが夜の10時過ぎ、あまりに眠くてそのまま横になった。はっと目を覚ますと午前3時だった。疲れもとれ、思いのほか頭もすっきりしている。比叡山に厚い雲間から陽がのぼる(2015.03.17 06:27)

ネットにつないでみると、直ぐにつながるし、きわめて軽快。メールの巡回も快適そのものもだった。当時、インターネットはまだない、まだモデムを使って電話回線からNiftyやらいくつかのBBSにつないでいた時代だ。偶然だったが、電話もかかってこなければ、外も静かで、早朝の快適さに気付いた。

早起きの習慣に散歩が加わったのは2006年頃だった。

Indonesia 小さなモスク(この写真は2010年)仕事でインドネシアにいた。ジャカルタの朝はコーラン(をとなえる声)で明ける。その前に人々はお祈りのための水浴びをする、それが4時頃だ。どんな風に人々がモスクに集い、祈るのか、みたくなって近くのモスクまで歩いて行ってみた。外は幾分ひんやりして心地よく、鳥の声は良く聞こえるし、騒音や排気ガスや人いきれとは無縁の空間だった。そして、徐々に明るくなってくる空は一時もとまることなく変化する、朝日がのぼるときの荘厳とも思える空の色、翌日もそれが見たくなった。

日本に戻ってからも、日の出時刻の30分くらい前に家をでて、空をながめ路端の花を見、鳥の声をききながら、ただただ歩く。それが習慣になった。