カテゴリー: 記憶
思い出、記憶にのこるモノやコト
備忘:(選べない国で)不惑を前に僕たちは 寄稿、作家・中村文則
朝日新聞, 2016年1月8日に掲載。備忘として採録しておく。以下、全文。 —– 「お前は人権の臭いがする」 国と同化、自己肯定の差別 (選べない国で)不惑を前に僕たちは 寄稿、作家・中村文則 僕...
朝、白川にたつ哲学者
夜明けをはさんだ時間の散歩に出ることはほぼ日課になっている。この季節の夜明けは7時過ぎなので、6時はまだ夜だ。それでも東の空、山の端は少し明るくなってくる。 右の写真は1月2日の早朝、中空には月が輝いていた。 さて、今日...
描けなくなった画家の絵
今年の初夏に見逃した画家の回顧展が、この冬、伊丹の美術館にまわってきた。もう25年以上前に見た絵を、もう一度みたいと思った。この絵を残して画家は自ら命を絶った。この絵はいま以下に。 「1982年 私」(所蔵品のご案内 –...
あの頃の自分は何を見ていたんだろう
昔みた映画を見直した時、あの頃の自分は何を見ていたんだろうと思うことがある。 ”Footlose”(邦題:フットルース)は1984年の、Herbert Ross が監督した映画だ。当時、監督は57歳、ただのダンス映画や青...
目にはたくさんのウロコがつまっている
「目から鱗(ウロコ)が落ちる」はよく使われる慣用句だ。「大辞泉」には「何かがきっかけになって、急に物事の実態などがよく見え、理解できるようになるたとえ。」とある。元は『新約聖書』の「使徒行伝」第9章にある、”The sc...
殉ずるに値しない国は棄ててもいい
西川美和さんの小説に、『その日東京駅五時二十五分発』という小品がある。彼女の叔父の体験(手記があった)をもとに、終戦の前日から翌日までの二日間の出来事を描いたものだ。 通信部隊に配属された少年兵はただ訓練に明け暮れていた...