理性がラッパを吹き鳴らす。

2016/08号 『ダ・ヴィンチ』特集中村則文、伊坂幸太郎との対談を読む。買ってはいない、書店で表紙を見てパラパラと立ち読みをしただけだ。二人はずいぶんと気が合うようだ。ちょっと意外だった。 一月初めの朝日新聞に中村文則...

振る舞いへの感性

いつも行くスーパーでのこと、レジで会計を済ませ、荷物を買い物袋に移していると、隣にいた女性が両手でくるくるとポリ袋を巻き取り、自分の買い物袋に入れたのだ。盛大に巻き取っていたので目についた(実際は音で気付いたのだが)。そ...

殉ずるに値しない国は棄ててもいい

西川美和さんの小説に、『その日東京駅五時二十五分発』という小品がある。彼女の叔父の体験(手記があった)をもとに、終戦の前日から翌日までの二日間の出来事を描いたものだ。 通信部隊に配属された少年兵はただ訓練に明け暮れていた...

静かに誰にも知られずに退く

今日、死を知らせる葉書を受け取った。以前勤務していた職場の上司のものだ。「故人の意思によって家族のみで弔い、すべてを終えた後に知らせた」旨の詫びが記してあった。命日は5月26日、享年75歳。 30年ほど前のことだが、その...