奇妙な敬語に倦む

テレビはずいぶん前から見ないが、仕事中にながしていた地元FM局もここ二三年はめったに聞かなくなった。「キャスター」と称する話し手たちの奇妙な言葉遣いが気になって、「ん?」と思いことが多いからだ。つまりは仕事の邪魔になる。

「ご応募されてください」には驚いたが、「どうされてるんですか?」「言われたこと、よくわかります」「親しくさせていただいている」「~じゃないですかぁ」「聴かせていただいてます」。こんな言葉の語りが続くのは苦痛でしかない。だからといって、別に局に投書する気にもならない。おそらくは番組のディレクターたちも奇妙だとは思わないのだろう。

言葉は時代と共に変わる。「おっしゃる」「なさる」「お~になる」はもはや死語に近いのかも知れない。

上記の言葉についても、もはや正誤の問題ではないのだと思う。町内会の会議でも、司会をした四十代後半の男性は「司会の方、させていただきます。」と挨拶していたし、多くの人にとってはこの種の言葉がすでに「奇異に感じない敬語(尊敬、謙譲、丁寧)」なのだ。

いっそのこと京都弁でとおせば良いのに、と思う。「はる」をつければ敬語のほとんどはカバーできる。しかも「はる」は身内に使っても奇妙に感じない、実に許容範囲のゆたかな言葉なのだから。