夏の終わり-五山の送り火

今年も16日に大文字山(如意ヶ嶽)に上ってきた。4時に家を出て、銀閣の裏に自転車を置き、のぼり始める。まだ暗いのでハンドライトをつける。私の前方に二三の灯りが見える。昨年は4時頃まで雨が降っていたので人が少なかった。今年は天気が良く、今日は日曜日だ。人出は多かろう。

送り火の日の朝焼け
送り火の日の朝焼け(大文字山からの展望)

私の前を歩いていた人たちにはすぐに追いついた。別に早足ではないのだが、女性や高齢者が一緒だと歩みが遅くなる。今年も麓から休むことなく、「大」の要に着いた。まだ薄暗く、眼下の街の街灯や信号が目立って見える。要の場所にある祠に詣でる。

北の空には朝焼けが広がり始めた。もうすぐ夜が明ける。

先客は十人を少し越えるくらいだが、六七人の若者が妙にはしゃいで大声で話しながら携帯電話で写真を取り合っている。落ち着かないので、そのまま山頂に近い「大」の先端部の火床まで上がる。ここまで来ると、涼しい風が吹き始めた。

汗を拭いていると、上から犬を連れた軽装の女性が降りてきた。少し驚いたような顔でこちらを見たので「おはようございます」と挨拶すると、彼女も微笑んで挨拶を返してくれた。歩き慣れた軽やかな足取りで急な階段を降りていった。

10分ほどそこにいたが、5時半近くになってきたので、下山することにする。下りでは、ほとんど列が途切れることがないくらい人が上ってくる。家族連れや子供の姿も多い。挨拶をしながら、ゆっくり20分ほどで降りきる。最後の階段状の場所では足に疲れを感じた。これまでこんなことはなかったのだが、確実に老いているということか。
もう少し毎朝の散歩のペースをあげておこう。

点火直後の「妙」
点火直後の「妙」2015/08/16
徐々に火勢が落ち着く「妙法」
徐々に火勢が落ち着く「妙法」

送り火は友人のアパートの屋上で見た。「妙」「法」が目の前に、少しだけ振り返ると「大」(如意ヶ嶽)もよく見える。火が消える頃に雨粒が大きくなってきた。

盂蘭盆会をすませ、京都の夏が終わる。